今回は大分の公立入試問題の特徴と対策についてご紹介します。教科によっては数年に1度のマイナーチェンジを行っていますが、長いスパンで見たときは大きな違いが生まれています。保護者様が高校を受験した時とお子様が受験する時の入試制度はもちろんのこと、問題の中身も大きく変わってきています。

どの教科についても共通して言えることは、記述形式の問題が増えていることです。用語の暗記や単なる計算、基本的な読解力だけではなく、論理的思考力や表現力なども重要になってきています。

それでは、各教科別に特徴と対策をご紹介します。

・国語

漢字・文法、小説、説明文、古典、作文の構成になっており、ベースは以前と変わりはありませんが、大問1から始めると50分で解くことが難しい人もいるのではないでしょうか?

対策としては、

1.漢字・文法、古典を優先して解く

この部分は点数が稼ぎやすい箇所なので絶対に落とせないところです。

2.指示語、主語などをチェックすること

文章の読解ではカギになるところです。必ずチェックを入れましょう。

3.文章の書き方のマスターと書く習慣を身につける

大分県の入試では最後に作文があります。いざ、書けと言われてもなかなか書けないものです(この部分が一番手薄になっているのかもしれません)。原稿用紙の使い方はもちろん、言葉の表現法(ら抜き言葉、方言など使っていないか)や書いたことに一貫性があるかなどをおさえておきましょう。また、書いたものを添削してもらうこともおすすめします(何らかのアドバイスがあるはずです)。国語以外の教科でも論述形式の問題でもこのことは有効です。

 

・社会

地理・歴史・公民の3分野にバランスよく分かれています。さらに、地理は世界地理・日本地理、歴史は幕末までの内容・明治以降の内容、公民は政治・経済と細分化して出題されます。ここ最近は記述形式の問題が多く社会が苦手とする生徒も多いようです。暗記量が少ないだけでなく表現が苦手であることが原因と思われます。

対策としては、

1.ニュース、新聞は毎日読む

地理、公民の対策になりますが、日ごろ見ているニュースや新聞の中に教科書に出てくるものもあるはずです。いわば、「身近な教科書」という感覚で見てもらうといいです。

2.出来事や語句などは枝葉をつけて覚える。

すべての分野で生きてくることですが、例えば歴史のある出来事について、その名称だけを覚えるのか、それとも内容を覚えるのかで身につく知識量は大きく変わってきます。また、その内容だけにとどまるか、そこからさらに発展させられるかどうかでも変わってくるでしょう。社会は覚えた者の勝ちということは以前と変わりはありませんが、覚え方が大きく左右する教科といえるでしょう。

3.出来事・語句の説明を正確に表現する

上記の続きになりますが、出来事・語句の内容がきちんと覚えていても正しく書けなければ正解にはなりません。新研究などの論述問題をくり返し練習するという方法も有効です。

 

・数学

小問集合、関数(図形とのからみ、利用)、確率・資料の活用、平面図形、空間図形と大問構成は一部を除き同じです。数学についても国語同様に50分で解き終わらないことがほとんどです。その中でどのように点数を取ればよいかポイントです。

対策としては、

1.小問集合でミスはしない

小問集合(大問1)の配点は全体のおよそ3分の1を占めています。基本的な計算問題は必ず正解できるようにしましょう。

2.解いている途中で行き詰まったら後回し

行き詰まった問題で時間をかけることは時間と点数のロスを生むことになります。まずはできる問題を進めましょう。

3.裏技を身につける

冒頭にも書きましたが、ほとんどの生徒はすべての問題を50分で解くことができません。しかし、特に上位校を目指す人は高得点を狙う必要があります。身についているかが大きく点数にも関わりますし、その裏技は高校数学で履修する事柄なので、今覚えていても損はありません。積極的に覚えましょう!

4.問題の意図を考える

なぜここで聞いてくるのかを考えて解きましょう。実は、その後の問題につながることばかりです。そのためには解く量を増やし問題になれる必要があります。

 

・理科

物理・化学・生物・地学および小問集合で構成されていますが、ベースは20年以上前の入試をほとんど変わりないです。理科については出題内容がおおかた予想できる教科であることが特徴です。つまり、出題傾向がわかりやすいといえるでしょう。また、試験の最初の教科でもあるので、高得点を狙うことで次の試験にも弾みがつけられます。

対策としては、

1.語句の意味をおさえる

社会でも同じことが言えるのですが、語句に使われている漢字に注目してください。その漢字から意味を考えていくと何を表しているかがわかります。

2.作図・グラフの練習

新研究などにも練習問題があります。どのようにかけばよいかがわからないときは、答えを参考に考えてみるといいでしょう。また、理科で出てくるグラフは比例のグラフが多いので、どう変化しているかをつかむことが大事です。

3.計算問題にもチャレンジする

中学校の理科の計算は高校内容とは違い算数レベルで解けるものです。計算問題が苦手という人はまず、解き方を覚えてくり返し解いてみましょう。

 

・英語

英語についてはリスニング、文章読解、英作文と以前とは大きく変わっています(高校の授業のことを意識していると思われます)。読解問題が多いため、集中力を要する教科であることには間違いないでしょう。

対策としては

1.リスニングに慣れる

問題はリスニングからスタートします。ここの慣れるというのは、耳を慣らすだけでなく、解き方にも慣れることも指します。放送が始まるまでの数秒の時間で問題を見て、何を聞いてくるかを予想することができるはずですので、まずは試してください。

2.読解問題ついては代名詞に注目すること

内容を答えるものについては、国語同様に代名詞が重要になりますが、英語についてはその答えとなるものはだいたいが2~3行前に書かれています。また、代名詞が何を指しているかも考えながら解きましょう。

3.英作文は添削をしてもらいアドバイスを受ける

これについても国語の作文同様、添削をしてもらいアドバイスを受けることをおすすめします。高校入試の英作文は型にはまった答え、つまり、解答例があまりないといえるので、逆に難しいと思います。絵や対話文を見てどう答えるべきかをアドバイスをもらうといいと思います。

 

 

以上、特徴と対策を紹介しましたが、高校入試の制度や出題傾向などは今後変更することも考えられます。その際は当塾の各校舎へ確認してみてください。