大分県立高校入試(1次入試)が3月11日・12日に実施されました。今年度の入学定員は6880人で昨年に比べ240人の減少となり、今年度の卒業見込み数を反映したものとなりました。1クラス当たりの減らす高校・学科が多く、今後も定員調整を行うことが見込まれます。また、定員増の高校・学科は今年度はありませんでした。なお、推薦入試合格者を除いた一般入試の募集人員は5666人となりました。

今年度の志願倍率は1.02倍となり、昨年度に比べ0.02ポイント下降しましたが、受験倍率(募集人員に対する受験者数の割合)は0.99倍となり、初めて1.00倍を切りました。一極集中続いている大分市内の高校については平均倍率が1.19倍と昨年に比べ、0.03ポイント下降しました。

大分市内において志願倍率が1.30倍以上の高校・学科は以下の通りでした。

・普通科高校               ・実業系高校
大分豊府 1.45倍             情報科学(ビジネスソリューション) 1.48倍
大分南(普通科) 1.40倍         情報科学(AIテクノロジー) 1.47倍
大分鶴崎 1.36倍             大分商業(国際経済) 1.47倍
大分雄城台 1.33倍            大分工業(建築) 1.42倍
大分西 1.32倍              情報科学(デジタル創造) 1.31倍

今年度の特徴とすると県内ほとんどの工業系の高校が定員割れをし、2次入試が実施されたことです。大分市内の高校(大分工業および鶴崎工業)も例外ではありませんでした。推薦入試から定員に達していない状態だったため、一般入試でもその流れになった可能性があります。進学校では推薦入試から高い倍率であったため、一般入試でもその影響を受けていたと思われます。定員割れ・2次募集を実施した高校が23校となりました。

今年度は高校別では大分豊府、情報科学、大分鶴崎が、学科別では別府翔青商業科、情報科学ビジネスソリューション・AIテクノロジー、大分商業国際経済が高倍率となり、これらの高校を志望校とする生徒は定期テストだけでなく、内申点や実力テストでも高得点を取ることが求められるので、早めに対策をするとよいでしょう。
2024年度の募集人員は9月、募集要項は10月にそれぞれ発表があり、昨年と同様に1か月早く行われました。そのため、公立入試に対する対策も例年に比べ、早く取り掛かることができたようです。令和8年度の中学校卒業予定の生徒は今年度より若干の増加が見込まれています。しかし、入学定員は今年度定員割れした高校が多かったため、その点を考慮したものになると思われます。

今年の入試問題特徴について
・資料や文章量が増加
文章量については毎年指摘する点でもありますが、資料を用いた問題も多く出されていました。読む・読み取ることに以前に比べ、時間があまりかけられないようでした。
・教科書からの記述問題(語句および説明論述)が増加
理科・社会で見られたことですが、基本的なものから発展的なものまであり、単に暗記するだけでなく、資料などから読み取り、どう表現するかもポイントだったと思います。

以上の対策として、
・教科書ベースの学習を行う
入試問題の出題は基本的に教科書からになります。教科書をすみずみまで読むことが大事になってきます。
・資料や写真・データをおさえる
資料や写真などは文字(文章)に比べ、印象に残りやすいので、今のうちに多く触れておくことも有効です。

各教科の傾向(出題順)
理科
1.各分野ほぼ均等に出題されていた。
2.各大問(5つ分)の配点がすべて12点に変更
3.計算問題が増え、小数が絡む計算が多かった
4.説明論述については教科書からの出題が多かった
国語
1.漢字・文法・表現技法など教科書の知識の出題
2.本文の文字数が去年より減少
3.設問に「適当でないもの」を選ばせる問題の増加
英語
1.全体的に語数の増加(リスニング含む)
2.リスニングの時間が18秒短縮されたこと
上記2つからスピード感が要求されている
3.長文は内容をしっかり理解した上で解答する必要があった
4.英作文の問題は変更があり、文章を読んだ後に書いていく形式となった。
社会
1.理科同様各分野均等に出題されていた
2.図や資料からの読み取りおよび表現力が求められる問題が多かった
3.説明論述の配点が16点分となり、去年より高くなった
4.問題によってはあまり見慣れないものも出題されていた
数学
1.大問構成は去年と変更なし
2.長文を読ませる問題も例年通り出題されている
→計算や証明が解けるだけでは点が取れない
3.前の問題がヒントとなるいわゆる誘導問題も出題されていた

以上です。