「はじめに」

 

だいたいの国語の読解問題は次のように始まります

 

「次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。」

 

あまり気にすることがないですし、毎回気にしなくてもよいのですが、この文の意味するところを知らない人が多くいます。これは、

 

「次の文章中から読み取れないことは全て無効」 という意味です。

 

つまり、どんなに常識的に正しいことでも本文中に書かれていなければ正答にはならないし、自分が思ったことも本文から読み取れなければ一切関係ないのです。あくまでも、教科としての「国語」であり、そこにある設問に答えることが求められているので、論文や感想文とは異なります。

 

しかし、言い方を変えれば、

 

「すべての答は本文中から読み取れる」 ということにもなります。

 

だからこそ、読解力をつけたいですね。

 

 

「読解力をつけるために」

 

ここから本題です。読解力をつけるためには「語彙を増やす」「ちゃんと読む」「メリハリをつける」の3点を意識するとよいと思います。

 

語彙量が少ない、つまり、知らない言葉が多くあると、内容がつかみにくいです。

また、設問の中には「傍線部と同じような内容」や「対照的な内容」を問う問題も多くあります。その際、言葉の意味がわからないと探せない場合もあります。

 

「ちゃんと読む」と言われると、当たり前のようですが、意外と読めていないのが現状です。本文はもちろんですが、特に設問をちゃんと読むことが大切です。何を聞かれているのか、がわからなければ、何を答えればよいのかがわかりません。テストの答案を採点していても、問いと答えが対応していないものが多くあります。

 

大切なところはじっくりと、そうでもないところはさっと、というようにメリハリをつけて読めるようになると読解力がついてきた証拠です。この話は何の話なのか(筆者が説明しようとしているものは何か、この場面では何が起こっているのか)、それがどうなったのか(結論は何か、出来事の結末は)は常に意識しておくところ、じっくり読むところと言えるでしょう。その間の部分はさっと読んで、設問に必要なところだけ読み返せばよいです。

しかし、読まなくていいというわけではありません。いわゆる「飛ばし読み」は絶対にダメです。必ず「ちゃんと読み」ましょう。

また、設問を解く際には、このパターンはこの辺りを読むといった、いわゆる公式も知っておくと、読み返すときに精度が上がっていきます。

 

 

「おわりに」

一番の対策はとにかく「演習量を増やす」ことです。そして、「やり直しをする」ことです。

せめて正答がどこに書かれてあったかは確認をしましょう。進学校を目指すのであれば、「解説を読む」ことまでしましょう。どこをじっくり読まなければならなかったのかの確認をして、次につなげましょう。

 

今回は「読解力をつけるために」というテーマに絞ってお伝えしてきました。国語の点数を取るうえでは「表現力」と両輪になるものです。「読解力をつける」には時間がかかりますが、この文章が何かのきっかけになれば幸いです。