新型コロナウイルスの影響を受け、今年度のYes進学セミナーでは保護者の皆様方の多大なご協力のもと、ウェブ会議用アプリ「ZOOM」を用いたオンライン授業を取り入れることができました。生徒のみなさんの新しい技術への対応力はすばらしく、こちらの想定以上に使いこなしてくれております。

さて、4月末からスタートしたオンライン授業ですが、約5か月ほど運用してきた今、塾として提供できる新しい授業形態としての気づきと、ご利用いただく上での注意点をお伝えしたいと思います。

○オンライン学習のメリット

わさだ校、皆春校、森学び舎の3校舎では、現在もZOOMを活用したオンライン授業を行っております。敷戸校、高城校に所属の生徒様も、ご希望の場合はZOOMを開講している校舎の授業にご自宅から参加していただけます。
新型コロナウイルスに関しては、新規罹患者も落ち着いてきているとはいえ、いまだ予断は許されません。ご家族が医療関係に従事されているご家庭でも気兼ねなく塾の授業に参加いただけるよう対応している次第です。

ZOOMでの在宅学習を行うようになり、とりわけ遠方からの通塾生の出席率が増加いたしました。塾の欠席理由には、体調不良、部活や委員会活動などそのほとんどは生徒の都合ですが、送迎に伴う保護者様の都合も大いに関わります。

また、台風の接近などで生徒の来塾を制限しなくてはならない場合、休校という措置ではなく、オンラインで授業を行うこともできるようになりました。
送迎の兼ね合いで欠席するしかなかったところ、在宅学習という選択肢が得られたことは大変大きな意義があると思います。

 

○オンライン学習を受けるうえでの注意点

教師一同、オンラインと対面で、差の出ないような授業を心掛けております。
しかしながら、在宅学習という性質上、生徒の集中力、学習姿勢によっては、授業の理解度に大きな差が生まれてしまいます。

授業中の居眠り、内職(授業以外の問題を解く)、ぼーっとするなど、集中力に欠ける行為が見られた場合、対面授業では教師が即座に対応することができますが、オンライン受講では対応が難しく、そもそも気づけないことがあります。

カメラで、授業を受けている自分の姿を映すよう伝えてはいますが、画角の外の死角は多く、ペンの動きは見えても内容まではもちろん把握することはできません。極端な話、カメラの映らないところで漫画を開いていてもこちらは気づくことができないのです。
授業に臨む姿勢は生徒個人の良心に依る部分が大きいです。

また、授業は基本的に40分を1コマとして進行していきます。
やむを得ない場合を除き、40分間は飲食・私語等、集中の途切れる行為はしてはいけません。トイレなどで席を立った場合でも、授業は止まらずに進んでいきます。
塾や、学校といった、集団で「勉強する場」では我慢できることも、自宅、自室という「くつろぐ場」では気が抜けてしまうことが多いようです。

さらに、授業の質としては差がありませんが、演習量としては大きな差が生まれます。
Yes進学セミナーでは、放課後や、英語・理科の時間に暗記テストを行っております。これらは、塾に来る前に課題を覚えてきて、塾でテストするという形式のものですが、オンライン授業でそのテストを行うのは困難です。
テストがなくとも覚えてくれさえすればいいのですが、覚えたつもりでもいざテストすると解けないということは、皆様も経験があるのではないでしょうか。

特にこれからの時期、2学期中間テストに向けた問題演習を行っていきます。
問題演習の時間は、普段使っているテキストとは別に、プリントなどを新たに配布して解いていきます。ご自宅で授業を受けるためには、事前に教材を取りに来ていただく必要がございます。

加えて、オンライン授業ばかりでは教師とのコミュニケーションが希薄になりがちです。授業中にあてる、授業後の連絡時に話をする、程度のことは行っておりますが、それでも対面時に比べて頻度は少なくなっております。
成績に関する話、分からないところの質問、もちろん叱られることもあります。休み時間や、授業前、授業後の時間に勉強に関すること以外でも様々なことを話しております。
それらは勉強へのモチベーション、生徒のやる気にも繋がります。それはオンライン授業では得難い部分なのではないでしょうか。

 

オンライン授業にはメリットももちろん多数あります。
ただ、そのシステム上避けられない壁があるのは事実です。我々も改善策を模索してまいりますが、それを超えるには、生徒一人一人、また保護者様のご協力が必要になります。

今後もオンライン授業を継続していくにあたって、よりよいものが提供できるよう、精一杯、努力してまいります。