こんにちは。

大分市の学習塾、Yes進学セミナーです。

今日は、大分工業高等専門学校(大分高専)について、お話ししたいと思います。

 

大分高専は大分市の牧にある国立の工業専門学校で、通常の高校と異なり中学卒業から本科で5年間学び、卒業時には「準学士」の称号(短大卒と同じ)が得られるものです。

より専門的な知識を得たい生徒は、本科卒業のあと2年間の専攻科で学ぶこともでき、修了時には「学士」の学位(4年制大学卒と同じ)を得られます。

中学生の皆さんが目指す本科には、「機械工学科」、「電気電子工学科」、「情報工学科」、「都市・環境システム工学科」の4科が設置されていて、一般的な普通科高校で学習する5教科の学習に加え、学科ごとの専門的な学習をすることができます。

5年制であることを活かし5年間の一貫教育によって、段階に応じた能力増強が目指せるのも魅力の一つです。

 

では、高専に入学するためにはどのような学習が必要になるのでしょうか。

 

先にも述べた通り、高専は「国立」です。全国に51校(55キャンパス)があり、そのすべてが同じ日に、同じ試験を行います。

教科は、理科、英語、数学、国語、社会の5教科で、各教科100点満点。試験時間は各50分。平成28年度の入試からすべてマークシート形式でのテストになっています。

大分県の場合、公立高校入試よりも1か月ほど前に行われる形です。そのため、志願倍率は非常に高く、人気の学科は2倍2人受験して1人が不合格になる倍率を超えます。

 

マークシート形式と聞くと、運が良ければ勘で受かりそうだ!なんて思う人もいるかもしれませんが、運に頼って合格を目指すのは非常にナンセンスです。

たしかに、国語に漢字の書き取りはありませんし、英語で英単語を書く必要はありません。また、分からなかったとしても問題用紙に書かれた選択肢から選ぶだけなので当たるかもしれません。

しかし、数学や理科のマークシートには⓪~⑨までの数字が並んでおり、計算して出した数字を塗っていく形式です。数字で書くか、色を塗るかの違いしかないのです。さらに、選択肢から選ぶ問題もア~エの4択だけではありません。多い問題では、ア~シの12択の中から選ばされます。12分の1を当て続けるのは不可能に近いでしょう。

ですから、高専に本当に入学したいと考えるなら、勘に頼るのではなく、しっかりと学習し、実力をつけて入試に臨んでほしいものです。

 

さて、大分県の公立高校入試と比べると、たしかに出題傾向は異なります。

公立高校は60点満点ですが、高専は100点満点です。国語の作文や、英語の英作文もありません。

ほかに公立高校と異なる点でいえば、

◆国語…漢字の知識、古典、論説文、小説の出題構成。古典は、古文や漢文だけでの出題はではなく、鑑賞文がついています。論説文は、化学や工学の分野からの出題が多く、専門的な単語が含まれるため、文章中から意味を把握することが肝心です。

◆英語…リスニングはありません。英文から数字を読み取り、方程式などを使って計算する問題が出題されます(なんと、英語のテスト用紙に計算スペースが設けられているのです)。平成30年度には三平方の定理を用いて解く問題も出題されています。長文読解の問題も複数ありますが、単語を書く必要はありませんので、公立高校入試より取り組みやすい教科かもしれません。

◆理科…大問の数が多いです。使う公式や知識は教科書に書かれていることなのですが、理屈や定義をもとに思考して解く問題が多く出題されます。事前に過去問題を解いて時間配分を確認しておかなければ、50分でも解き終わらないことは珍しくありません。また、グラフや作図を自分で書いて、それをもとに解く問題も出題されるのですが、定規やコンパスの持ち込みはできません。

◆数学…具体的な点数は開示されていませんが、足切りがあります(規定の得点を下回った場合、5教科総合の得点が合格点を超えていても不合格になります)。理科同様、時間が足りなくなる教科ですので、解答できる問題を素早く正確に解き切ることが大事です。

高専は理系の学校ですので、やはり理科と数学の難易度は高いです。

しかし、社会の出題傾向は公立高校入試と同様、地理、歴史、公民がまんべんなく出題されます。

また、入試での得点だけでなく、内申点が大いに合否に関わることも公立高校と同じです。

来年度の入試から、「思考力」重視の試験問題に変わると発表されておりますが、それはここ数年の公立高校入試も同様の傾向です。

つまり、受験勉強のしかたは公立高校入試と大きく変わるものではないのです。

公立高校の一般入試で豊府高校以上に合格できる成績があれば、高専の合格が目指せるわけですから、

① 定期テストでしっかりと結果を出し、日常の授業態度・提出物をよくし、内申点を確保する

② 傾向の異なるテストであっても、得点できる実力をつける

という風に、高専を受験するからと言って特別変わったことをする必要はありません。入試が近づくまでは公立高校を受験する他の生徒と同じように学習を進めていきましょう。

そして、中学の教科書内容をすべて学習し終えてから、高専の過去問に触れ、傾向に慣れていきましょう。

高専の問題には限りがあります。とりわけ、マークシート形式になってからの問題は6年分の7つ(令和3年度は本試と追試の二つ)しかありません。

学習していない単元がある中で過去問に触れてしまうと、受験前に解きなおしたとき正しい成績が出せず、かえって不利になる可能性すらあります。

 

 

Yes進学セミナーでは、普段の定期対策に加え、適切な受験指導を行っていきます。

高専の一般入試は、私立の一般入試とも近く、受験間近に慌てて対策を始めると、中途半端になってしまい、うまくいきません。

大分高専を目指したいと考える中学生のみなさん、毎年多くの合格者を輩出するYes進学セミナーで、一緒に学んでいきましょう。