こんにちは。
大分の学習塾、Yes進学セミナーの矢野です。
今回は、理科を得意にするための勉強法について、お話ししたいと思います。

みなさんは理科というとどんなイメージをお持ちですか?
よく言われるのは、社会と同じく暗記科目だということです。
たしかに、言われる通り暗記科目としての側面もあります。
しかし、すべてを暗記しきることは到底不可能ですし、昨今の大分県の入試では暗記だけではなく、思考力を問う問題も多く出題されています。
ではこれらに対応し、かつ得意にするためには、どうしたらいいのでしょうか。
理科の苦手度に合わせて、3つのステップに分けていきます。

 

 理科がとにかく苦手な人に…
ステップ① 得意な単元をつくる

他の教科と比べると、苦手な生徒にとって取り組みやすいのが理科です。
なぜなら単元ごとのつながりが薄く、どこから始めてもいいからです。
理科には大きく分けて、「化学」「物理」「生物」「地学」という4つの単元があります。
以前は「第1分野」・「第2分野」とも呼ばれていました。
高校理科ではこれらのうち2つほどを選択して勉強していくことになりますが、中学ではそのすべてを学習していきます。
つまり単元の数は中1で4つ、中2で4つ、中3で4つの計12個となり、公立入試ではそれらがまんべんなく出題されます。
例えば、中1の物理ができるからといって、中2の物理できるとは限りません。
逆に言うと、中1の物理ができなくても、中2の物理ができるようになるということです。
数学や英語を新たに学習しようとすると、中1の比例・反比例ができなければ、中2の1次関数には取り組みにくく、中3の2次関数から理解するにはより多くの時間が必要になります。
得意な単元をつくるとは、12個ある単元のうち自分の取り組みやすい、比較的好きな単元を見つけて、そこから得意にしよう、ということです。

おすすめは、以前「第2分野」と呼ばれていた、「生物」と「地学」です。
これらは暗記が主となる単元で、覚えていけばすぐに得点に繋がります。

また、論述の問題にもよく出るものがあります。
何度も見る問題に関しては、答え方を暗記してしまいましょう。
過不足なく答えるためにも、模範解答の暗記は大切です。

得意な単元が取れるようになってくれば、理科への苦手意識も薄れ、他の単元にも取り組みやすくなるはずです。
そこからドンドン解ける問題を増やしましょう。

 

問題が長かったり、詳しく聞かれると失点する人に…
ステップ② 単なる暗記からの脱却をする

「生物」と「地学」は暗記単元だといいました。
では、それ以外の単元はどうでしょう。
中学3年間で学習する内容は非常に多いです。
もちろん理科だけで入試を受けるわけではありませんから、理科だけに勉強時間を割くわけにはいきません。
そこで表題の、単なる暗記からの脱却、です。
暗記にかける時間を短くするのです。
どうするのか、答えはシンプル。
暗記の前に理解をするのです。

中2の地学(天気)で学習する、寒冷前線のでき方と特徴を例に挙げてみましょう。
単純に暗記しようとすると、
・寒気が暖気の下にもぐり込み、暖気を押し上げてできる
・通過後に気温が下がり、激しい雨が短い時間降る
・通過後に気圧が上がり、風向が北寄り(西寄り)に変わる
これらを温暖前線というよく似たものと混同しないよう、間違えずに覚える必要があります。
……中学生は大変だ、で済ませてはいけません。

では、理解を挟みます。
実は、覚えるべき内容は『暖かい空気は冷たい空気より軽い』これだけでいいのです。
そうすると、重たい寒気が軽い暖気の下にもぐり込み、軽い暖気が押し上げられる構図が理解できます。
また、寒気が押し進んでいるので、通過後に気温が下がることも理解できます。
温暖前線の緩やかにはい上がる空気と違って、寒冷前線では押し上げられた空気は急激に上に伸びるので、上に長い雲ができ、範囲は狭く、強い雨が降ると理解できます。
気圧と風向は、前線の内容ではありません。
一つ前に学習する等圧線の内容から理解することができます。

このように、単なる暗記の前に理解を挟めば、関連する項目を数珠つなぎに解決していくことができます。
そうすることで、より効率的な学習ができるのです。
理科を得意にする2つ目のステップは、単なる暗記教科だと切り捨てるのではなく、理解する教科だと知ることです。

特に物理や化学で多く問われる計算問題に関しては、公式の暗記だけで取れる問題は限られています。
きちんと理解していれば、問題の意図を読み取り、正しい立式ができるはずです。

 

理科を武器にしたい人に…
ステップ③ 得た知識を発展させる

さて、ステップ①では、単元ごとのつながりが薄いといいました。
現状、理科が苦手な生徒にとっては、12の単元を完全に分けて学習してください。
つながりを考えるより、得意な単元を一つ作る方が優先です。
しかし、理科でも単元ごとのつながりはあります。
もしそこまで意識を持っていけるのなら、より上位が目指せるようになります。より暗記する項目は減ります。
別の単元を学ぶ前提としてではなく、理解を深めるために、つながりを知るのです。

有機物とは、燃やすと焦げて、二酸化炭素と水を発生する物質と、中1では学習します。
しかし、中2の化学で燃えるというのは、酸素と化合することだと学習します。
とすれば、酸素(O)と化合して二酸化炭素(CO2)と水(H2O)を発生する有機物は、炭素(C)と水素(H)を含む物質と理解できます。

中2の物理で学習する電流の正体が、マイナスの電気を帯びた粒子である電子の流れであると理解していれば、中3の化学の内容はぐんと理解度が深まります。
イオンの生成の仕組みは、静電気の発生と似ていますし、化学電池はまさに電流の正体の繰り返しです。

1つの知識を他の部分でも活用する。知識をリンクさせていく。
そうすれば、覚えるべき内容はドンドン少なくなっていきます。
そのためには単なる暗記ではなく、きちんと理解することが必要です。
実は、季節風の仕組みや、夏と冬の違いなど、理科で学習した内容が社会の地理でも使える場合があります。
知識を発展させていけば、他の教科の理解にも役立ちます。

ただし、この学習ができるのは一通り全てを学習した後になります。
早ければ中3の11月くらいからでしょうか。
実力偏差値を伸ばしていく時期ですね。
理科でより高みを目指してほしいと思います。

 

いかがだったでしょうか。
理科は知れば知るほど面白くなっていきます。
幅広い分野を学習するため、自分の興味を持てるところから始めることができます。

yes進学セミナーでは、みなさんの好奇心と、知りたいという知識欲を叶えるべく、プロの講師が丁寧に指導しています。
興味を持たれた方はぜひ一度、ご連絡ください。